せかい

何者でもない私から、何者でもないあなたに向けて

覚めて

目が覚めて、朝迎える

わたしの朝は、わたしが目を開けた時はじまる

 

夢をみていた

夢のような夢だった

私は少女に戻り、日を巡っていた

 

頭を切り替えるために服を切り替えて、電車に揺られる。

ああ、そうか。

私はもう、あの頃には戻れない。

もう、朝礼を受けたり、校舎の影から夕日をみることはない。

きみの背中をおいかけることも、ない。

 

そのことに気づいたのは、卒業式から9年も経った冬の日だった。